2026/08/05
更新: 2026/08/18

投資のリスクは「価格変動」だけではない ~見落とされがちな4つのリスクとは~

投資のリスクは「価格変動」だけではない ~見落とされがちな4つのリスクとは~

約4分で読めます

「投資は怖い。」

そう感じる理由として、多くの方が真っ先に思い浮かべるのは、
「値下がりするかもしれない」という不安ではないでしょうか。

確かに、価格変動は投資における重要なリスクの一つです。

しかし実際には、投資家が向き合うべきリスクはそれだけではありません。

むしろ、日々の値動きばかりに目を向けていると、本当に注意すべきリスクを見落としてしまうことがあります。

今回は、資産運用を考える上で知っておきたい代表的な4つのリスクについて整理してみましょう。

リスクとは「危険」ではない

まず最初に理解しておきたいのは、投資におけるリスクの意味です。

一般的には、
「リスク=危険」というイメージがあります。

しかし金融の世界では、
「将来の結果が不確実であること」をリスクと呼びます。

つまり、

利益が出る可能性もあれば、
損失が出る可能性もある。

その振れ幅のことをリスクと考えます。

重要なのは、リスクをゼロにすることではなく、理解し、管理することです。

リスク① 価格変動リスク

最もイメージしやすいリスクです。

株式や不動産、投資信託などの価格は常に変動しています。

例えば、

  • 景気後退
  • 金利上昇
  • 地政学リスク
  • 企業業績の悪化

などによって価格が下落することがあります。

多くの投資家は、このリスクばかりを意識しがちです。

しかし、価格変動リスクは実は「見えるリスク」です。

毎日確認できるため、認識しやすいのです。

リスク② インフレリスク

一方で見えにくいのがインフレリスクです。

前回の記事でも触れたように、インフレはお金の購買力を低下させます。

例えば、

1,000万円を預金していても、
物価が上昇すれば、そのお金で購入できるモノやサービスは減ってしまいます。

額面は減っていないため気付きにくいのですが、
実質的には資産価値が目減りしている状態です。

近年の物価上昇を経験し、このリスクを身近に感じた方も多いのではないでしょうか。

リスク③ 為替リスク

為替リスクとは、通貨価値の変動によって資産価値が変わるリスクです。

例えば、

米ドル建て資産を保有している場合、
投資対象が値上がりしていても円高が進めば円換算では利益が小さくなることがあります。

逆に、円安になれば資産価値が押し上げられる場合もあります。

近年の急激な円安によって、
「為替も資産運用に大きく影響する」ことを実感した方も少なくないでしょう。

通貨分散は、このリスクを管理するための有効な考え方の一つです。

リスク④ 流動性リスク

流動性リスクとは、
「売りたい時に売れない」

あるいは
「希望する価格で換金できない」
リスクを指します。

例えば、

  • 非上場不動産
  • プライベート・エクイティ
  • 一部のオルタナティブ投資

などは、長期間の資金拘束を伴う場合があります。

一方で、こうした資産には流動性プレミアムが期待できるケースもあります。

つまり、
流動性リスクは必ずしも悪いものではなく、
リターンとのバランスを考えるべき要素なのです。

これは前回の記事でご紹介した内容とも深く関係しています。

本当に怖いのは「集中リスク」

ここまで4つのリスクを見てきました。

しかし、多くの専門家が最も注意すべきだと考えているのは、
「集中リスク」です。

例えば、

  • 資産の大半が現金
  • 日本円のみ保有
  • 特定企業の株式に集中
  • 特定の不動産だけを保有

といった状態です。

将来どのリスクが顕在化するかは誰にも分かりません。

だからこそ、一つの資産や一つの考え方に依存しないことが重要になります。

リスクを減らす最もシンプルな方法

リスク管理の基本は、
「分散」です。

分散には大きく分けて次の3つがあります。

資産の分散

  • 株式
  • 債券
  • 不動産
  • オルタナティブ投資

などを組み合わせる方法です。

通貨の分散

  • 米ドル
  • その他外貨

に分散する方法です。

時間の分散

一度に投資するのではなく、
長期間にわたって投資する方法です。

将来を予測することは難しくても、
分散によってリスクをコントロールすることは可能です。

資産運用で大切なのは「リターン」より「耐久力」

投資というと、
「どの商品が最も儲かるのか」に注目しがちです。

しかし長期的な資産形成では、

「どんな環境でも継続できる資産構成か」の方が重要です。

インフレが進む時代もあれば、
景気後退が起きる時代もあります。

円安の時代もあれば、
円高の時代もあります。

そのどれにも対応できる資産配分こそが、資産防衛の土台となります。

まとめ

投資におけるリスクは、価格変動だけではありません。

代表的なリスクとして、

  • 価格変動リスク
  • インフレリスク
  • 為替リスク
  • 流動性リスク

があります。

そして、本当に注意すべきなのは、
特定の資産や通貨に偏る「集中リスク」です。

将来を正確に予測することはできません。

だからこそ、
さまざまなリスクを理解し、
分散によって備えることが重要です。

資産運用の目的は、短期的な勝ち負けではありません。

どのような環境でも資産を守り、育て続けられる仕組みを作ることです。

次回は、資産形成と資産防衛の違いについて考えながら、富裕層がどのような視点で資産運用を行っているのかを見ていきます。

執筆者

山田 和弘

山田 和弘

Walton Global株式会社
バイス・プレジデント

大手生命保険会社に8年半勤務した後、独立。
ファイナンシャルプランナー(FP)会社の役員として21年間にわたり経営を牽引してきた。生命保険、損害保険、証券、不動産を網羅したワンストップでの資産見直し提案を得意とし、これまでに4,000世帯を超える有料相談を解決に導いた確かな実績を誇る。FP時代にWaltonと出会い、同社の事業に参画。通算17年目となる現在、Walton Global株式会社のVice Presidentとして重責を担う。自身も日米双方で不動産投資を行う実践者であり、その豊富な現場経験に基づく「アメリカ不動産と日本不動産の違い」の明快かつ説得力のある解説には定評がある。

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